第124章

古川邦夫は古川礼和へ視線を投げた。父子は一瞬だけ目を合わせ、互いの瞳の奥に、ほんのわずかな悔いを見つけてしまう。

その表情の揺らぎを、周防天華は逃さなかった。

彼女の目に怨みの色がすっと浮かぶ。だが、唇をきつく噛みしめ、無理やり飲み込んだ。

古川朱那……!

覚えてなさいよ。

帰りの車中、古川朱那は窓にもたれたまま、終始ひと言も発しなかった。

「宮崎家の連中は……さすがに愚かすぎるな」

不意に佐野一玄が口を開いた。低く沈んだ声が、車内に落ちる。

「自分たちは清貴だと気取っていながら、周防天華ひとりに、いいように踊らされている」

その言葉に、朱那はわずかに目を見開き、彼のほうを...

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