第157章

正直、佐野一玄って本当にやるじゃない。

けれど電光石火の刹那、古川朱那の脳裏に、ふいに痩せこけた影が差し込んだ。

前世で出会った、あの哀れな口のきけない少年――彼にも、佐野一玄と同じ『超能力』みたいなものがあった気がする。

彼もそうだった。小さな生き物に好かれるのが異様に早い。

朱那でさえ近づけなかった、あの野良の白黒のミルク猫でさえ、彼の接近をまったく拒まなかった。

何度も柵の外からするりと入り込み、彼の掌の上のパン屑をぽりぽり食べていた。

あの頃の少年の目も、こんなふうに優しかった。

その瞬間、朱那の心臓が何かに撃ち抜かれたみたいに、どくんと激しく跳ねる。

彼女は反射的に...

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