第32章

古川朱那はすぐにタクシーを拾い、病院へ駆けつけた。

入院棟に着くなり、ナースに告げられる。

古川礼和の胃の状態が急激に悪化し、半日以上吐き続けた末、すでに救急処置に回された――と。

朱那はそのまま手術室前へ向かった。

そこには古川礼希と古川礼人、それに周防天華がいた。

朱那を見た瞬間、礼人が真っ先に突進してきて、乱暴に腕を掴む。

「古川朱那……おまえ、何をした。昨日のことで兄貴に不満があったから、スープに何か混ぜたんだろ!」

「礼人!」

礼希が慌てて割って入り、礼人を引きはがそうとする。だが礼人は怒りのまま礼希を突き飛ばした。

「もう庇うなよ。こいつは根っからの悪だ。天華が...

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