第33章

彼の言葉を聞いて、周防天華は胸の奥で張りつめていた糸が、ほんのわずか緩むのを感じた。

古川朱那の一挙手一投足から目を離さない。氷みたいに冷たい視線で。

――もう気づいている。

兄さんと礼希兄さんの、古川朱那に向ける態度が、微妙に変わり始めていることに。

いま完全に自分の味方をしてくれているのは、礼人兄さんだけ。

状況は危うい。座って待っているわけにはいかない。

今回は、古川朱那を徹底的に押さえつけてやらなければ。

それから三十分もしないうちに、蘭子が息を切らして駆け込んできた。

周防天華はすぐに迎えに行き、蘭子の手をぎゅっと握る。

「あとでお姉ちゃんがあなたに何を聞いても、...

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