第38章

「いい加減にしろ」病室の中に、古川礼和の苛立った怒声が響いた。「全員、入れ」

さっき金を渡されたばかりだ。三分だけは面子を立ててやる。古川朱那はそのまま中へ入った。

「聞くが、おまえ今日の昼間、天華を刺激したんじゃないのか? でなければ、家に戻っただけでどうしてこんなことになる」

朝の柔らかさなど跡形もない。古川礼和の全身から、噛みついてきそうな殺気が滲んでいた。

——これが本性。高みから見下ろす古川社長。感情を乱すのは、気にかけている相手のためだけ。

「してない」朱那は両手をぱっと広げた。「手首に包帯巻いたのも本人、刃物を渡したのも私じゃない。なんで私のせいになるわけ?」

どか...

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