第42章

周防天華も、その一部始終を見ていた。

兄たちが古川朱那から目を離せず、驚きに見入っている。その様子に、胸の奥がどろりと煮えた。

(またこいつ。ほんっと、しつこい……)

天華は唇をきゅっと噛み、小さな声で言う。

「お姉ちゃん、すごく上手……わたし、絶対ムリ……」

「怖がるな」

最初に視線を戻した古川礼人が、天華の肩を軽く叩いた。

「俺たちがついてる」

そのとき、古川礼和が朱那のほうへ歩き出した。

「兄さん?」

礼人が呼びかける。

礼和は振り返らない。

馬場の中央。古川朱那は障害を見据え、上体をわずかに前へ。赤毛の馬をぐっと前へ促し、そのまま跳ぶつもりだった。

「朱那」...

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