第77章

周防天華は、唇をぎゅっと噛みしめた。

爪が掌に深々と食い込み、血が滲みそうになる。

また古川朱那……! どうして?!

どうして脚光も注目も、全部あの古川朱那ってクズに持っていかれるの?!

佐野一玄みたいな人物まで、彼女のために現れるなんて――。

奠基式は、どこか異様で、妙に昂ぶった空気のまま進行した。

けれど参列者の意識は、もう式そのものから完全に逸れている。

式が終わった瞬間、関連ニュースと写真が爆発的な勢いでネットと各メディアへ拡散された。

『驚愕! 佐野若様・佐野一玄が初の公の場に……古川家の令嬢を後押し!』

『「エコ・オアシス」起工式を直撃! 謎の佐野殿、滞在わずか...

ログインして続きを読む