第82章

「そうか?」古川礼和が遮った。声は底冷えするほど静かだ。「あの子が後ろ盾を得たから、こっちを舐めてる――そう決めつけてないか

先に舐めたのは俺たちのほうだ。だからあの子は、自分で頼れる相手を探すしかなくなったんじゃないのか」

古川礼人は顔を真っ赤にして、思わず声を荒げた。

「じゃあ、こっちから媚びろって言うのかよ! あいつは年下だぞ!」

「媚びるんじゃない」礼和は疲れたように首を振る。「せめて態度を改める。昔みたいに、好き勝手に叱りつけたり、呼びつけたりはやめるんだ。それから天華の件だが……」

そこで言葉を切り、視線を落とす。

「少し大人しくさせろ。もう古川朱那に自分から突っかか...

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