第5章
大祭司が言い終えるや否や、大広間を包んでいた短い沈黙が、爆ぜるように砕け散った。
「吸血鬼にエルフに蛇人、それに狐族……ガキの父親が五人だと?」
「母系鷹眼がまるで出てない! 目は暗い赤に黒い筋、どう見たって混血だろ!」
群衆の罵声が、雪崩みたいに押し寄せる。
「腹を早く大きくするために、速妊の血草まで喰ったくせに! そのうえ外族と手当たり次第だなんて、どんだけ尻が軽いんだよ!」
ケイドが私の前に立ちはだかった。並んでこの茶番を眺めていると、笑いが喉までせり上がってくる。
セシリアが王座を奪うため、受胎率を上げるためなら手段を選ばないことは、私がいちばんよく知っている。
...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
縮小
拡大
