第101章

崎原時男が誰のことを聞いているのか、藤原空人に確認する必要はなかった。

『いい感じっすよ。顔、ちょっと丸くなってます。腹もだいぶ出てて、腹帯もしてました。正直、楽そうには見えないっすね』

藤原空人は淡々と、事実だけを並べた。

それを聞いた崎原時男は、また目を閉じて深く息を吸う。

『……お前、あいつに家政婦つけろ』

『崎原さん、それはさすがに俺の立場じゃ――』

藤原空人が眉をひそめ、やんわり断ろうとした、その次の一言で空気が変わった。

『東川の物件、1戸やる』

崎原時男は投げ捨てるみたいに言った。まるで、どうでもいいゴミでも放るように。

だが藤原空人の目は一気に輝き、胸を叩い...

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