第104章

『どうするつもりだ?』

友人の藤原空人は、崎原時男の鬱屈を一目で見抜いた。時男にこんな陰りが差すのは珍しい。それでも空人は胸の内でため息をつきつつ、声だけは落ち着かせる。

崎原時男は深く息を吸い、目を細めた。

『今回は手が容赦ない』

そこでいったん言葉を切り、時男は目を開ける。視線を空人の瞳へまっすぐ重ねた。

『……あいつは帰国する』

藤原空人の目つきが鋭くなる。

『乗る気か? ……じゃあ小林暁はどうする』

小林暁の名が出た瞬間、崎原時男はわずかに躊躇し、ゆっくり息を吐いた。

『出産予定日がここ数日だ。崎原孝樹のほうも動くはずだ。お前が張り付いて見てろ』

『お前は出ないの...

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