第111章

子どもが小林光に連れられて行った――その報せは、ほどなく幸村陸斗の口から崎原時男へ届けられた。

その瞬間、崎原時男は肩の力を抜き、胸の奥に溜まっていた濁った息をふう、と吐き出してから尋ねる。

『……彼女はどうだ』

その問いを受け、幸村陸斗は病院を出る前に小林暁の様子を見に行った。

小林暁はまだ意識が戻っていない。病室にいるのは幸村蓮二と小林恵子たちだけで、成田七海の姿が見当たらなかった。

妙だ。あの大雑把な女が、小林暁に関わることを欠かしたことなどないのに。

幸村陸斗が周囲に聞いて回り、ようやく所在を掴む。倒れて救急へ運ばれたのだという。

しかも、小林暁の子どもの訃報を聞いた直...

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