第117章

小林暁は覚えている。小林ゆきの出産予定日は、自分より一か月以上あとだった。

刺激を受けて早産になったとはいえ、自分はせいぜい予定日の数日前。だが小林ゆきは違う。産んだ時点で、まだ妊娠八か月だった。

――七か月は助かる、八か月は助からない。

そんな言い回しがあるくらい、月足らずで生まれた子は育てるのに手がかかる。そもそも、無事に生きられるかどうかさえ危うい。

暁がその話を振ったのは、ただの意趣返しだ。

本音では、子どもが助からなかったなんて凶報は聞きたくなかった。

同じように十月十日を腹に抱えた母親として、子どもが母にとって何を意味するのか――暁は痛いほどわかっている。

けれど、...

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