第119章

涼宮晴子が帰ったあと、成田七海はどこか上の空だった。

もともと感情を隠せない性格だ。病室へ戻ってきた途端、小林暁はすぐに異変に気づく。

『どうしたの?』と暁が尋ねる。七海が返事をしないので、聞こえなかったのだと思い、もう一度呼びかけた。『七海? どうしたの?』

『え? あ、ううん、なんでもない』七海は我に返って笑ってみせた。けれどその笑みは引きつっていて、かえって暁の不安を煽った。

ちょうどそのとき、付き添いの介護スタッフが部屋を出て、取り替えたばかりのシーツ類を洗濯室へ運んでいった。

『本当に?』暁はベッドから降りた。術後の身体で歩みは遅い。それでも七海の前まで来ると手を握り、『...

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