第125章

小林暁の声は低く抑えられていたが、だだっ広く静まり返った駐車場では、かえって妙に澄んで響いた。

成田七海は早足をぴたりと止め、つま先を返すと、そのまま黒いセダンへ向かう。

近づくと同時に後部座席のドアが押し開けられ、中には小林暁、そして隣に幸村蓮二が座っていた。

幸村蓮二は窓にもたれている。七海から見えるのは半分の横顔だけだ。残りの半分は、身を乗り出した小林暁にすっかり隠れてしまっている。

『ぼーっとしてないで、早く乗って』

小林暁の瞳は、計画が叶う寸前の喜びでいっぱいだった。声まで弾んでいる。

七月の盛夏。真夜中でも空気はむっと熱いはずなのに、成田七海は足元から冷えが這い上がっ...

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