第137章

「雲町」という言葉が出た瞬間、古崎琴也の顔に浮かんでいた笑みが、ぴたりと固まった。

その変化を見逃さず、幸村陸斗は言葉を継ぐ。『幸村蓮二がこの前、やけに人手を動かしてたのは――奥様の『死んだことにする』計画のため、ですよね?』

古崎琴也は黙ったままだった。

幸村陸斗も急かさない。少し待ち、時間を測るようにして、きっかり一分後。

『開けてください』

古崎琴也は訝しげに眉を動かし、口を開きかけた。だが、その背後で――コン、と一度だけノックが鳴る。直後、部下が扉を引き開けた。

続いて聞こえたのは、藤原空人の声だった。

『古崎……え、幸村さんもいるの?』

ここで幸村陸斗に出くわすとは...

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