第138章

古崎琴也のもとを出たあと、幸村陸斗は車を出し、藤原空人を乗せて崎原グループへ向かった。

グループ本社に着いたのは、ちょうど退勤ラッシュの時間帯だった。

ビルの各出入口から、川のように人が吐き出されていく。幸村陸斗と藤原空人はその流れに紛れることもできず、地下駐車場からの直通エレベーターで上がるしかなかった。

幸い、直通がある。おかげで二人は、崎原時男が帰る前に、どうにか執務室へ辿り着けた。

『この時間に来るのか。詫びでも入れに来た?』

先に幸村陸斗の姿を見つけた崎原時男は、そう口にしかけて――すぐ隣の藤原空人を視界に入れた。

空人の性格を思えば、しかも今このタイミングでの来訪は明...

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