第14章
看護師が丁寧に差し出してきた玉佩は掌に収まるほどの大きさで、厚みも均一だった。表面には細かな彫りが施され、文様は複雑で、そうそう見かける類のものではない。
だからこそ、小林暁はひと目でそれが、祖父が最期に自分へ託した玉佩だとわかった。
喉の奥が詰まり、声がうまく出ない。それでも手を伸ばして受け取り、忘れずに言う。
「……ありがとうございます」
感情が揺れているのは誰の目にも明らかだった。看護師は一瞬だけ目を丸くし、事情を察したようにやわらかく笑う。
「いえいえ。持ち主のところに戻ってよかったです」
入院病棟は忙しい。看護師はすぐに去っていった。
成田七海は玉佩を見つめる。彫り模...
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