第144章

七海がいなくなって、三日が経った。

正直、最初から暁は、成田七海がこんなに長く戻らないなんて想像していなかった。向こうから届く連絡も少なくて、たまに「先生に雑用押しつけられてさ」と愚痴が飛んでくる程度だ。

暁はそのたび、笑ってからかってやった。けれど本当は、胸の奥でほっと息をついていた。

最近の七海は、ほとんど暁のことにかかりきりだった。そのせいで社内の競合研究会や、いくつかの案件の付き合いまで逃している。

当の本人は気にも留めず、けろりとして言った。

「佐藤明がいるし」

佐藤明のことは暁も知っている。仕事で何度か関わったことがあったが、能力も人柄も、確かに堅実で頼れる男だった。...

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