第16章

アルミ合金製の杖は触れた瞬間から冷たかった。握り締めている部分でさえ、少しでも力を抜けば、体温がすうっと奪われていく。

幸村蓮二は無言のまま、カメラの画面に映る写真を見つめる。耳元では佐藤氷の得意げな笑い声が弾んでいた。

佐藤氷はわざと肩で幸村蓮二を小突く。

「ほら、くっきり撮れてんだろ?」

だが幸村蓮二の意識は画面にない。視線だけをゆるりと滑らせ、佐藤氷の顔に落とす。音も立てず、探るように観察した。

佐藤氷のことは、それなりに知っている。昔はそこそこ付き合いもあった。だがこいつは見栄を張りたがりで、賭け事にも手を出す。金を貸してくれと何度もせがまれ、数回で縁を切った。

少し前に...

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