第23章

女の声は乾いて、ひび割れた土みたいに硬かった。かさかさで、温度がない。

……ちっ。

崎原時男は苛立ちを隠さない。

小林暁がさっき見せた、庇うようで庇いきれない手の動き――それが彼の視界をすり抜けるはずもなかった。疑いをほぼ確信に変える仕草だったのに、女は全面的に否定した。

肘掛けを叩いていた指が止まる。男は一度、目を閉じて視線を引っ込めた。吐き出す声は氷の欠片みたいに冷たい。

「あとで病院に行くぞ」

「行かない!」小林暁が即座に打ち消す。

だが男は振り向き、刃物のような目で射抜いた。

「相談じゃない」

その目つきは、彼女が何度も浴びてきたものだ。けれど最近は、あまり向けられ...

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