第26章

藤原空人の呼びかけに、小林ゆきの目がぱっと輝いた。唇をきゅっと結んで微笑み、どう返そうかと考えた、その矢先――横から崎原時男の訂正が入る。

「彼女は小林ゆきだ。小林暁の妹」

時男は家政婦から受け取ったコーヒーをひと口含み、藤原空人へ視線を流した。

「もう見分けもつかないのか」

ゆきの笑みがぴくりと固まる。だが空人がこちらを見たとたん、すぐにおとなしく背筋を伸ばした。

「藤原様、お久しぶりです」

もともと、顔見知り同士ではあった。

空人は軽く頷き、近づいて改めてその顔を見る。そこでようやく、はっきり違いがわかった。

小林暁とはまるで似ていない目元。

それに――健康的で、ほどよ...

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