第50章

それは林暁にとって、別に小林光を初めて見る機会ではなかった。けれど――叔父としての小林光と向き合うのは、これが初めてだった。

ぼやけていて、どこか他人めいた血のつながりは、二人の距離を埋める助けにはならない。むしろそのせいで、場の空気はいっそう張りつめ、気まずさまで滲んでいた。

林暁はずっと天野夢華と話していたものの、意識は何度も小林光のほうへ引き寄せられる。

だが小林光は、ほとんどこちらを見なかった。彼の視線の先にいるのは、どうやら崎原時男だけらしい。二人はA市の案件について言葉を交わし、応酬は途切れない。いつの間にかそこに目に見えない壁ができ、リビングにいるほかの面々は、きれいにそ...

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