第51章

ホテルの最上階スイート。

小林暁は小林光に続いてエレベーターを降りた。スイートの二階と一階では造りがまるで違う。

ここはプライバシーという意味ではお世辞にも良いとは言えなかった。ほとんどの部屋の扉が開け放たれていて、そこから別の部屋へも自由に行き来できる。

迷路みたいだ。

けれど置かれている調度品を見れば、ここが完全に個人のための空間だとわかる。設備は整い、生活が完結する。ひとりで使うために切り離された、独立した住処。

「こっちへ」

少し先の扉の横で小林光が足を緩め、振り返って暁を呼んだ。

小林暁は頷き、慌てて追いかける。

近づいてみると、そこもまたリビングだった。ソファに腰...

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