第66章

スマホに送られてきた電子版の検査結果――あれを開く気には、崎原時男はまるでなれなかった。

だが間もなく、もう一通の「結果」が、今度は紙で崎原時男の手元に届けられる。

持ってきたのは、先日も崎原家で報告していた小柄な男だった。入室した瞬間から表情は引きつり、崎原時男を盗み見る目には、気まずさと戸惑いが滲んでいる。

部下が崎原時男の前で、こんな感情を露わにすることは滅多にない。

だからこそ、崎原時男はすぐに異変を察した。目の前で報告していた副社長に手を振って下がらせると、椅子の奥へと身を投げる。長い脚を組み、気だるげに問うた。

『どうした』

小柄な男は口を開きかけて、「え……」と間の...

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