第85章

早村茜はそのメッセージを見た瞬間、呼吸が一段と速くなった。反射的に視線を上げ、周囲をぐるりと見回す。誰も自分に注意を向けていないと確かめてから、ようやくスマホを手に取り、文面をじっくり読み直した。

甘やかされて育ったとはいえ、姓は張でも、幼い頃から受けてきた教育はこばやし家のそれだ。出どころの知れない情報を、はいそうですかと信じるほど単純なわけがない。

送信元の番号は見覚えがなかった。逆に返信してみても、相手は返す気配すらない。

茜は眉を寄せる。――悪意のある誰かだろう。

放っておくつもりだった。だが相手は、こちらの心を読んだみたいに、茜がスマホをしまおうとしたその直前、写真を一枚送...

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