102、

白川蘭視点

私は顔を上げて、彼を見る。

「さっき、なんでこの話になったんだっけ?」

「ミルクキャンディ」

「そうだった」私はもう一粒取り出して、指先で転がした。「ほんとに食べないの?」

「食べない」

「ドリアンケーキも食べない、飴も食べない。……あんたって、ほんと面倒くさい」

彼は私を見つめたまま、目の奥にほんの少しだけ笑みを浮かべる。

私はふいに身を寄せた。

「ねえ。あなたが好きなの、分かった」

言い終えるより先に、彼の唇に軽く触れる。

からかって、キスして、すぐ離れるつもりだった。けれど後藤正樹が手を伸ばし、私のうなじを掴むように押さえて、逃がしてくれない。

口の...

ログインして続きを読む