105、

白川蘭視点

翌朝、白川家を出ると、後藤正樹の車がすでに路肩に停まっていた。運転席には東山英樹。車の脇に立っていて、作戦訓練服の上から黒いジャケットを羽織っている。

私は彼の前まで歩いていった。

「駐屯地じゃないの?」

「迎えに来た」

「訓練、終わったの?」

「2時間だけ休み取った」

そう言って、東山英樹は白川家のほうをちらりと見た。それから手を上げ、私の目尻にそっと触れる。

「泣いた?」

「泣いてない。寝不足なだけ」

後藤正樹はそれ以上突っ込まず、黙ってドアを開けてくれた。乗り込むと、保温ボトルを差し出される。中身は白湯だった。

「コーヒーは?」

「空腹で飲むな」

...

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