13、

白川蘭視点

私は画面を、五秒だけ見つめた。

怒りもない。悲しみもない。胸が痛む感覚すら、薄い。

腐って膿んだ傷口をようやく切り開いて、中の腐肉を全部えぐり取った――そんな感じだった。

電源ボタンを強く押し込む。スマホの画面が、すとんと闇に沈んだ。

平気でいられると思っていたのに、涙はやっぱり落ちてきた。

隣で、かすかなため息がする。

頬を拭う暇もなく、広い胸板がそっと寄ってきた。

後藤正樹が腕を伸ばし、私の肩を軽く抱く。短い、抑えた抱擁。それでも、確かに温かい。

すぐに彼は手を離して元の位置へ戻った。私の掌には、深い灰色のハンカチが残されている。

「泣けばいい」

低い声...

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