22、

後藤快斗視点

スタジオの入口に駆けつけた瞬間、兄の後藤正樹と白川蘭が車の脇に立っているのが目に入った。

兄さんは相変わらず表情を崩さず、淡々と言う。

「こっちで仕事があってな。ついでに蘭と夕飯を食べた」

俺はうなずいた。けれど視界の中心は、最初から最後まで白川蘭だけだった。

兄さんが俺を一瞥し、釘を刺す。

「明後日は決勝前の調整試合だろ。ろくに準備もせず、わざわざ戻ってきて何してる」

返す気力もない。俺はそのまま蘭へ顔を向けた。

蘭の表情は、微塵も揺れない。

彼女が何か言う前に、俺は手を伸ばし、彼女の手首を掴んだ。無意識に、指に力がこもる。

笑いを貼りつけたまま、兄さんへ...

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