22、
後藤快斗視点
スタジオの入口に駆けつけた瞬間、兄の後藤正樹と白川蘭が車の脇に立っているのが目に入った。
兄さんは相変わらず表情を崩さず、淡々と言う。
「こっちで仕事があってな。ついでに蘭と夕飯を食べた」
俺はうなずいた。けれど視界の中心は、最初から最後まで白川蘭だけだった。
兄さんが俺を一瞥し、釘を刺す。
「明後日は決勝前の調整試合だろ。ろくに準備もせず、わざわざ戻ってきて何してる」
返す気力もない。俺はそのまま蘭へ顔を向けた。
蘭の表情は、微塵も揺れない。
彼女が何か言う前に、俺は手を伸ばし、彼女の手首を掴んだ。無意識に、指に力がこもる。
笑いを貼りつけたまま、兄さんへ...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 1、
2. 2、
3. 3、
4. 4、
5. 5、
6. 6、
7. 7、
8. 8、
9. 9、
10. 10、
11. 11、
12. 12、
13. 13、
14. 14、
15. 15、
16. 16、
17. 17、
18. 18、
19. 19、
20. 20、
21. 21、
22. 22、
23. 23、
24. 24、
25. 25、
26. 26、
27. 27、
28. 28、
29. 29、
30. 30、
31. 31、
32. 32、
33. 33、
34. 34、
35. 35、
36. 36、
37. 37、
38. 38、
39. 39、
40. 40、
41. 41、
42. 42、
43. 43、
44. 44、
45. 45、
46. 46、
47. 47、
48. 48、
49. 49、
50. 50、
51. 51、
52. 52、
53. 53、
54. 54、
55. 55、
56. 56、
57. 57、
58. 58、
59. 59、
60. 60、
縮小
拡大
