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白川蘭視点

コーヒーの香りが休憩室いっぱいにふわりと広がっていた。

陸川英二がエンジニアを連れて扉を開けた瞬間、静かだった応接室は専門用語の飛び交う議論で一気に満たされる。

私は隅に腰を下ろして、黙ってそれを聞いていた。気づけば夕方を過ぎ、窓の外はもう暗い。

陸川英二が大きく伸びをして、いったん話を切り上げた。

「午後ずっと喋りっぱなしだし、腹減ったろ。後藤社長が店、押さえてくれてる。移動して、飯食いながら続きやろう」

後藤正樹が選んだ店は、近くの商業エリアにあるミシュランの星付きレストランだった。外からは中が見えない造りで、席の間隔もゆったりしている。

私たちが先に通され、席...

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