25、

後藤正樹視点

喉までせり上がってきた言葉は、結局「分かる」と言い切る形にはならなかった。

蘭は手で顔を覆い、声を詰まらせる。

「もう……私に聞かないで。私は彼に説明する義務なんてない。快斗とは、ちゃんと話した。全部、終わってるから」

耳に落ちてくるのは、必死に押し殺したすすり泣き。細くて、かすれていて――胸の奥をざらつかせる。

振り返りたい衝動を、歯を食いしばって抑える。

見られない。

見てしまったら、俺の中の何かが崩れる。

後藤快斗と別れたからといって、俺がそこに入り込めるわけじゃない。

そんなこと、痛いほど分かっている。

彼女の視線も感情も、これまでずっと――後藤快斗...

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