27、
後藤正樹視点
傍らの白川蘭が、何気ない口調で言った。
「開けてみるまで分からないブラインドボックスみたいなものです。同じものは二つとありません」
掌の上の人物像を見つめながら、彼女は小さくつぶやく。
「どんな名前にしようかな……」
俺は彼女のほうを向いた。
「一つ一つ全部、名前をつけるのか?」
「私の基準を満たしたものだけです。ちゃんと作品と呼べるものだけに、名前をつけます」
俺が地面に並べた彫刻を見ているあいだに、彼女は背を向けてピックアップトラックへ向かった。荷台に積んである梱包資材を取りに行くためだ。
蘭の仕事ぶりはよく知っている。細部まで気を配る、慎重な性格だ。
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