29、

後藤正樹視点

特戦隊の制服のまま階段を下りると、ちょうど母と鉢合わせた。

「正樹!」

私を見た瞬間、母の目がぱっと輝く。

「本当に早く帰ってきたの? 快斗が適当言ってるだけだと思ってたわ」

「任務が前倒しで終わった」

「じゃあ、何日かいられる?」

「だいたい半月。前の休暇を取り切る前に戻ってたから」

「それは最高ね!」

母は嬉しそうに身を乗り出し、

「ご飯はもう食べたの?」

「帰りの車で済ませた」

母と並んで茶室へ入り、両家の年長者と同席の客へ一人ずつ、形式通りに挨拶を通す。

視線をさらりと滑らせると、苛立った顔で携帯ゲーム機を弄っている後藤快斗がいた。

上にいる...

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