35、
白川蘭視点
私は一語一語、はっきりと言った。
「もう、あなたのこと好きじゃない」
空気が、すっと静まり返る。
後藤快斗はゆっくりと私の手首を離し、そのまま立ち上がった。声には感情の波がない。
「別にいい。どうせお前、俺と本気で縁を切れるわけじゃないし」
私は眉をひそめた。
「どうしてそんなふうに言い切れるの?」
彼はテーブルの上のスマホを取り上げると、そのまま私の手に押しつけてきた。視線はまっすぐ、逃がさないみたいに私を射抜いている。
「じゃあ今、俺の目の前でブロックしろ」
私は顔を上げ、正面からその視線を受け止める。指先はもう画面の上を滑っていた。
「私ができないとで...
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