41、

後藤正樹視点

「先に座ってて。お湯、沸かしてくるから」

彼女はソファを指さし、どこか落ち着かない声で言った。

胸の奥のざわめきを押し殺し、視線をワークスペースへ滑らせる。電気炉の扉は開いたまま。床には石膏の欠片が散り、ゴミ箱には失敗した素焼きが山のように詰まっていた。

視線を戻し、彼女を見る。

彼女は水を汲んで火にかけ、そのまま白い壁の向こう――奥の休憩エリアへ消えた。

三十秒ほどして、清潔な白いバスタオルを手に戻ってくる。俺の前へ差し出した。

「拭いて。びしょ濡れだよ」

「ありがとう」

受け取ったタオルで、濡れた手の甲を軽く拭う。

さっき水たまりを横切ったせいで、ズボン...

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