42、
白川蘭視点
ベッドに横になっても、眠気なんて欠片も来ない。もぞもぞと寝返りを打っているうちに、暗闇の隣で高坂綾乃が苛立ったように身じろぎし、くぐもった声でぼやいた。
「蘭。もう一回動いたら、今夜はその場で処刑する」
「眠れないんだよ」私は布団の中で、むっとしたまま返す。
高坂綾乃は目を閉じたまま、眠たげに言った。
「眠れないなら、粘土でもこねてきたら」
――その言い方。
私がいちばん嫌うやつだ。私の彫刻を「粘土こね」と一緒くたにされると、耳の奥がちりっと痛む。
私はベッドサイドの主灯を押した。ぱっと白い光が広がり、寝室の隅々まで暴力的に照らし出す。
高坂綾乃が眩しさに顔をし...
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