43、

白川蘭視点

「……うん」

私はスマホをぎゅっと握りしめた。指先が、じんと痺れる。

街灯の光が、目の前で明滅する。

彼は長い脚でまっすぐ歩いてきて、私の正面に立った。その影がすっぽり私を覆う。

次の瞬間、骨ばった大きな手が伸びてきて――スマホはあっさり彼の掌に収まった。

心臓が跳ね上がる。

「え、出るの……私の代わりに?」

彼は伏し目がちに私を見下ろした。瞳の奥が深い。

「怖いのか」

私は唇をきゅっと結んだまま、何も言えない。

スマホはまだぶるぶる震えている。

彼の親指が通話終了のボタンの上で止まり、そこから動かない。

一瞬も逸らさず、彼は私だけを見ていた。

数秒、...

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