44、

白川蘭視点

頬がじんわり熱くなる。声を落として言った。

「……さっきから、なんでそんなに私のこと見てるの」

後藤正樹は臆する様子もなく、あっさり答える。

「蘭を見てる」

隠す気なんて一切ない言葉が、胸のいちばん柔らかいところを真正面から叩いた。どくん、と心臓が跳ねる。

「わ、私……まだ、そういうの慣れてなくて……」

私がしどろもどろに言うと、彼はすぐ視線を外した。声音も少しだけ柔らかく、どこか申し訳なさが混じる。

「悪い」

いっそその場に頭を埋めてしまいたい。気まずさを誤魔化すように、私は缶ビールをちびちび口に運び続けて――気づけば空になっていた。

慌ててもう一本取り、ぷ...

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