64、

白川蘭視点

一瞬、言葉に詰まってしまい、返す言葉が見つからなかった。

「やっぱり、図星か」

彼がくすりと笑う。

反射的に手を引こうとした。けれど彼はすぐに力を強め、逃げ道を塞ぐみたいにしっかり握り直してくる。

「覚えてるか? あのとき。快斗と一緒にお前の学校まで迎えに行って、洋食食べに連れ出しただろ」

私はこくりとうなずいた。記憶の引き出しに、ちゃんと残っている。

「そのときお前、彫刻やっててさ。完全に入り込んでて……最初、俺はお前だって気づかなかった」

「それで?」私は続きを促した。

彼は一拍置いた。長いこと胸の奥にしまってきたものを、自分で解体して見せるみたいで、居心地...

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