75、

白川蘭視点

ベッドに寝転んだまま、急に外へ出ることなら今までもあった。けれどそれは全部、突発の用事で、気持ちは乗らないまま無理やり動いていた。

今日みたいに、胸の奥がそわそわして、会えるのが楽しみで仕方ないなんて――初めてだ。

通話を切るなり、私は跳ね起きて、ハンガーラックの前に立った。出かける服を選ばなきゃ。

デザインで迷っていると、スマホがぶるっと震える。後藤快斗からの通話だった。

スピーカーにしてベッドへ放り、手はそのまま服をめくり続ける。

「蘭、誕生日おめでとう」

「ありがとう」

鏡の前でワンピースを胸に当て、丈感を確かめる。

「夜、飯行こうぜ」

「夜は高坂綾乃と...

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