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白川蘭視点

ずっと思っていた。あの一人写りの写真の彼は、ちっとも幸せそうじゃないって。

考えてみれば当然だ。家族にとって「外に誇るための勲章」みたいに扱われる一枚なら、誰だって心から笑えるはずがない。

でも、葛西理とのツーショットは違った。レンズの向こうの後藤正樹は眉も目元もふっと緩んで、笑みが澄んでいて、嘘がない。滅多に見られない、肩の力が抜けた顔だった。

昼食を終えると、私はヨランダ先生の作品の梱包に取りかかった。

L市へ来る前、葛西理に寸法をきっちり測ってもらい、置物にぴたりと合う耐震のハンドケースを特注していた。隙間なく収まって、ぶつける心配がない。

床にしゃがみ込み、彫...

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