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小林優里視点

私たちの仲間内で、後藤正樹を怖がらない人間はいない。

数年前のクリスマスの夜。私たちは後藤家の地下にあるシアタールームでパーティーをしていた。

音楽は午前1時まで鳴りっぱなしで、ふいに上の階から足音が降ってきた。

後藤正樹は中へ入ってきて場をしらけさせることはしなかった。廊下の突き当たりに立ったまま、後藤快斗だけを外へ呼び出した。

ちょうど私が上着を取りに出たところで、彼が声を落として言うのが聞こえた。

「10分で全員帰せ。これ以上うるさくしたら、管理会社と警察を一緒に呼ぶ」

黒のトレーニングウェア。表情は薄く、語気も荒くない。

それなのに、後藤快斗は一言も言い...

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