98、

後藤正樹視点

客室を出ると、ついでみたいにドアを閉めた。

廊下の人感センサーが、ぱち、ぱち、と順番に灯る。

白川蘭は隣で眉間を指先で揉み、俯いた。

今日だけで、いろいろ起きすぎた。

疲れが顔に出ている。隠しようもないほどに。

時刻を確認すると、まもなく午前1時。

「遅いな」俺は訊いた。「ここで一泊して、朝に出るか?」

白川蘭は首を横に振り、無理に口角を上げた。

「……やっぱり帰る。これ以上ここにいたら、また何か起きそうで」

その不安は、分かる。

後藤快斗はひとまず正気に戻っている。だが、今夜は情緒が安定していない。酔いが抜けたあと、何をしでかすか――誰にも読めない。

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