第7章
夏目結奈視点
飛行機が空港に着陸した瞬間、私の心臓は胸から飛び出しそうなくらい高鳴っていた。二年。結城隼人に会えなくなってから、丸々二年もの月日が流れたのだ。彼に完璧な姿を見せたくて、機内で化粧直しまでした。
ゲートで待っていてくれるだろうか。髪を整えながら、そんなことを考える。
ターミナルを出て、人混みの中に見慣れた姿を探す。でも、どこにもいない。結城隼人はいない。ここにいるはずの男の姿は、どこにもなかった。
荷物を受け取った後も、出口でさらに十分ほど立ち尽くした。人々が足早に通り過ぎていくけれど、私が必死に会いたいと願うその人だけは、現れない。
「夏目さん、でいらっし...
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