第7章
有栖川礼希視点
翌朝、私は成宮涼の腕の中で目を覚ました。
私たちはろくに眠れていなかった。昨夜、江奈さんに見つかりそうになってから、彼女の寝室のドアが閉まるのを待ち、成宮涼が静かに私を彼の部屋へ連れてきてくれたのだ。
「ただ、抱きしめたかったんだ」と、彼は囁いた。
「君を抱きしめていないと、どうにかなりそうだった」
今、カーテンの隙間から差し込む朝の光の中で、私は彼の寝顔を見つめていた。目元を刻んでいた緊張はついに解け、ここ何年かで初めて見る、穏やかな顔だった。
私のもの……。指で彼のアゴのラインをなぞりながら、心の中で呟いた。
成宮涼が身じろぎし、その腕が反射的に...
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