第23章

佐藤七海は翌朝早く西村家から電話を受け、急いで西村家へ駆けつけた。

「お兄ちゃん!ただいま!」

佐藤七海は家に入るなり、笑顔が一瞬で消え、声もたちまち冷たくなった。「なんで、あなた一人だけ?お兄ちゃんは?」彼女は辺りを見回し始めたが、西村遠の姿はどこにも見当たらないようだった。

「どうした?俺がお前を呼び戻したらダメなのか?いつまで経っても帰ってこないから、あいつにお前を探しに行かせたんだ」西村剛志は彼女を見ると、表情が少し妙になった。

佐藤七海も突然、何かがおかしいと感じ始めた。西村遠が自分を探しに出かけた?そして今は自分と継父だけが残されている……そう思うと、彼女の警戒心が高まり...

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