第51章

佐藤七海は彼らの後ろについて、社長室へと足を運んだ。高橋和也の秘書たちの姿を見て、まるで人を誘惑する妖怪のような装いだと思った。村上雪菜に妖狐に似ていると言われたことを思い出したが、彼女から見れば、この数人こそが本物の妖狐だろう。全身から妖狐の雰囲気を漂わせている。

しかも、この数人の秘書たちは終始彼女に冷たい視線を向けていた。その眼差しはまるでこう言っているようだった。「あなたが高橋社長のそばにいられると思う?三日で交代する使い捨ての女でしょ!」

秘書が前で扉を開けると、佐藤七海はついにウィナーグループの社長室を目にした。一瞬、その場に立ち尽くしてしまった。

贅沢だが無駄がなく、華や...

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