第130章 信頼の危機

部屋に戻ると、九条綾は光に優しく語りかけた。

「光、お洋服が汚れちゃったわね。下に降りて、きれいな服に着替えましょうか?」

光は大きな瞳で彼女を見つめるだけで、首を縦にも横にも振らなかった。

仕方なく、綾はクローゼットから彼お気に入りの恐竜のカバーオールを取り出し、目の前でゆらゆらと振ってみせた。

「これに着替えるのはどう?」

普段から大好きな服を目にして、光はようやくこくりと頷いた。

綾は手を伸ばし、西園寺蓮の膝から光を抱き上げた。

彼の顎に張り付いた野菜クズに視線を落とし、彼女は淡々と言った。

「貴方も、浴室で拭いていらしたらいかがですか」

西園寺蓮は、綾が光を抱いてソ...

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