第136章 息子の姓は宋とする

松本真由は訳も分からぬまま、九条綾の腕を掴んでエレベーターの方へと引っ張っていった。

「どうしたの?」

「車に乗ってから話すわ」

桐島京介は二人の女性の背中を追おうとしたが、耳元で響いた西園寺蓮の冷ややかな声に足を止めた。

「桐島家はこの二年でそれなりの成功を収めたようだが、どうやら社長さんはお偉くなって物忘れが激しくなったらしい。俺の忠告を忘れたか」

桐島京介は振り返り、彼を真っ直ぐに見据えた。

「西園寺社長、あなたの忠告を忘れた覚えはありませんよ」

確かに、桐島京介はそれを守っていた。九条綾が去ってからというもの、彼はずっと彼女との接触を絶っていたのだから。

「それに西園...

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